骨を掘る、若者たち {北海道宗谷郡・猿払村}

オホーツクの波が打ち寄せる、猿払(さるふつ)村というところがある。北海道最北端にあるこの村の名は、もともとアイヌ語で「葦の河口」という意味である。猿を追い払うかのようなこの字はおそらく後に当てられたのだろう。冬は流氷で塞がれてしまう海岸も、夏はおだやかで気持ちがいい。人びとはおもに漁業や酪農で生活を営んでいる。とくにホタテの水揚げ量は日本一だそうだ。
 
人口は約2800人。そんな最果ての小さな村に、夏のひととき、日本全国からも韓国からも若者たちが集まり、賑わうことがある。「東アジアの平和な未来のためのワークショップ」。アジア・太平洋戦争中、「旧陸軍浅茅野飛行場」の建設で亡くなった人びとの遺骨発掘のプロジェクトである。

・・・・・・(つづく)


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