大都会のミステリー、人骨の謎を追う {東京都・陸軍軍医学校跡地}

それは1989年7月のこと。東京・新宿の国立予防衛生研究所(現・国立感染症研究所)の建設現場から、100体以上もの人骨が見つかった。

おもに頭部と大腿部の骨で、銃創(銃で撃たれたことによってできる傷跡)や、開頭手術の跡が残るもの、頭蓋骨がL字型に切られたものもあった。

そして札幌学院大学教授、佐倉朔教授(元・国立科学博物館人類研究部長)による鑑定の結果、これらはほぼモンゴロイドの骨ではあるが、日本人ではないと思われる外国人のものが数多く含まれることが判明した。土中経過年数は、数十年〜100年以下だという。一部、フォルマリンなどで固定されたものもあった。

のっけからミステリーじみた話になったけれども、このとき発見された人骨に、「よもや」と身を乗り出した研究者は少なくなかった。

・・・・・・(つづく)

 

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